ゆんドリの今日


ある日のこと


拳闘コックは自慢のセンスと腕でコカトリスの串焼きを作っていました

拳闘コックは格闘家で有名でありながらも特級厨師の資格を持つ料理人

拳闘コックは毎日何か調理して、切磋琢磨(せっさたくま)するのが大好き

拳闘コックは串焼きを両手いっぱいの皿に山盛り作ったので出かけることにしました








しかし、金髪の青年に声を掛けられたので拳闘コックは足を止めました


青年は用件を話しました

「その両手に持った皿に盛った串焼きを分けてくれないか」


拳闘コックは困ってしまいました

なぜならこの串焼きはもうすぐ催される拳師の今で言うパーティーに必要な料理だからです

残念なことに串焼きに必要な材料は残ってはいません





すると困っていた拳闘コックに何かが手渡されました

手渡した相手は金髪の青年でそれは串焼きの材料でした

どうやら材料は用意したものの料理する自信はなく、困っていたようだ

拳闘コックは心優しき漢(おとこ)

自分ができることなのに見捨てることなんて絶対にできない

拳師との約束まであまり時間はないが頼み事を承りました





時間が経つのをきにしながらも黙々と拳闘コックは肉を焼き続けました

途中、何か視線を感じた拳闘コックはあたりを見回しました




一人の少女がこちらをじっと見ていました







拳闘コックはすべての肉を焼き終わり金髪の青年にできた串焼きを渡しました

金髪の青年は満足げな顔をし、拳闘コックに何度も礼をしました

金髪の青年も急いでいたのか、お礼と言ってセルビナミルクを拳闘コックに渡し、去りました





拳闘コックも時間がありません

しかし拳闘コックはすぐ外へは向かわず歩きました



拳闘コックは無言で串焼き一本とお礼にもらったセルビナミルクを少女に渡しました

少女は驚いた顔をしていましたがすぐに笑顔になりました

拳闘コックは少女にそれらを食べるよう催促しました

少女は顔色を伺いながらもちょっとずつ串焼きを口に運びました

すると少女はより一層の笑顔を見せてくれました



そんな少女の様子を見ていた拳闘コックは拳師を待たせていることを思い出しました

拳闘コックは自分の顔の色が青くなるのを感じました

それを見た少女は食べるのをやめてこちらをじっとみました

拳闘コックは心配をさせたくなくて少女に笑顔でもう一本串焼きを渡しました








その場をあとにした拳闘コックは拳師のもとへ

もの凄く叱られると思っていた拳闘コックは内心大騒ぎでした

しかし拳師は怒ることなく

「おまえのことだから何かあったんだろうね」

そう一言いって拳闘コックの料理を受け取りました

拳闘コックはよくわからないといった顔をしました





しばらくして拳師は串焼きが頼んだ数に足りてないことに気づきました

これは別問題だと拳師は拳闘コックを叱りました

拳闘コックは叱られている最中に少女の笑顔を思い出しました

拳闘コックは少女に串焼きをあげたことを後悔していません

そんな拳闘コックの態度に拳師の怒鳴り声はますます大きくなるのだった



力作end